きょうのできごと。

日々の戯言。 撮った写真とかの投げ込み場所。

2017-06

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「男たちの大和」

 毎年、終戦日などにTV特集で戦争体験を耳にする事はあるが、身近な人から直に戦争の体験を聞いた事はない。
 小学生の頃、お前の爺ちゃんは戦場に行っていたんだよと、親だったか婆ちゃんだったかに聞いた覚えはあるが、当の爺ちゃんからはその体験を聞いた覚えがない。私の家族はいわゆる核家族で、一緒に住んでいないから爺ちゃんと話す機会が殆どないから――と言うのもあったのだろうけど。
 うちの爺ちゃんしかり、戦争で負った心の傷を自分の内に抱えたまま語らない「神尾さん」が全国に大勢いたのだろうなと、この映画を見て思う。

以下、ネタばれ含む感想になりますので、未見の方は要注意!



 
 候補生(かな?)が上官に尋ねた「武士道」と「士道」の違い。
 「武士道」と「士道」は言い方が違うだけで同じものだろうと思っていた私にも解らなかったのだけど、「武士道とは死ぬ覚悟、士道とは生きる覚悟」だそうで。これを体現したのは内田さんで、これを体験したのが神尾さんなんだなと、見終わって思いました。
 負傷により大和を離れる事で自分の心を見つめる時間を持ち、その結果、仲間たちとともに特攻に赴くと死の覚悟をした内田さん。沈没する大和からの退艦命令が出た時点で、まだ自分の命があったからこそ、共に生きて散って逝った仲間たちの記憶を持ち続けるのだと、その場で今度は生きる覚悟をしたのだと思う。命を拾った自分が海の藻屑と消えてしまっては、語り継がれる事のない記憶は後代に伝わらず、それは自分たちが存在しなかったも同様の事になるから。だから、養子たちに戦争の(と言うか、あの戦争に赴いた人達の)記憶を語る時、自分の事は殆ど入っていなかったのだろう。
 それに対して神尾さんは、退艦命令に対して自らは仲間たちと共に死ぬ道を選び取ろうとした人。内田さん・森脇さんに、お前は生き延びろと沈みゆく大和から放り出された事で命を拾ったので、自ら生きる覚悟をした訳ではなく、それが「自分だけ生き残ってしまった」という負い目になったんだろうと思う。

 こんな事を考えながら見ていたせいかな? 予想していた程には泣かされる場面がなかったのだけれど、唯一泣いてしまったエピソードが、神尾さんが西さんの母親に(西さんの)戦死を告げに行った場面でした。
 画面でつぶさに神尾さんの乗り越えてきた苦難の道を見ているから、私(観客)には西母の抉るような科白を神尾にぶつける事は出来ない。なんて酷いことを言うんだと思う。でも、彼がどんな戦場を掻い潜って来たのかを知らず、息子が死んだと告げる(息子と同じ年頃の、同じ艦に乗っていたという)生きている少年に、悲しみと怒りをぶつけてしまうのも・・・理解はできる。
 そして、やっぱり西母にも解ってはいるんだよね、自分の発した言葉がどういう類のものなのか。
 翌日ふたたび会った時、「自分だけ生きていてごめんなさい」とひたすら謝り続ける神尾さんと、彼に対して心無い言葉を投げ付けたと謝る西母の姿に、泣けて泣けて仕方なかったです。
駄目だ、こうやって思い出して感想書いてるだけで、また泣けてくるよ…。

 大和の沈んだ海に向かった娘さん。
 船が揺れて酔いも激しく、何故そこまでして大和の沈んだ海に行きたいのかと、実は疑問でした。義父の事を神尾老人から聞く事が出来たのだし、これ以上危険な海域を航行せずに、もう引き返してもいいんじゃないかと。沈没地点に着いた時、それが義父の遺言であり願いだったのだと知り納得しました。
「生きる覚悟」に従いその覚悟を全うした今、仲間たちの元に還りたい、と。
この海に瞑る大和と仲間の許に、散骨した後「遅くなりましたが、内田二兵曹 ただいま戻りました」と娘が敬礼して告げた時、泣きたくなりました。「生きる覚悟」をしたけれど「死ぬ覚悟」も抱き続けていたんだなと、むしろ、死ぬ覚悟ごと内包してあってこその「内田ニ兵曹の生きる覚悟」だったんだな、と。
…ところで、それほど共に在りたいという連帯感や共感を覚える仲間を持っていた内田さんの生き様には、羨望を感じます。
私はそれほど熱く生ききる事は無いような気がする。どっか冷めてるからなぁ…。
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