きょうのできごと。

日々の戯言。 撮った写真とかの投げ込み場所。

2017-05

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『裔を継ぐ者』 (月神シリーズ・外伝)

 ポイシュマとワカヒコ、2人の少年が立ち上がり、やがて昏迷の時代に平和への礎が築かれてより500年余り――。先祖達の願いと想いは風化し、しきたりとしての奉りは受け継がれても、神々やカムイを身近に感じ受け入れ信じる術が失われつつある人々の姿がそこにはあった。
 オオモノヌシのポイシュマの血を引く「星のしるし」の一族の末児・サザレヒコは、未だ弓を持つ事を許してくれない父親に反発し、こっそりと兄の弓を持ち出し、隠れて練習する為にムラの禁域でありカムイのすまう聖地へと踏み入った。そこで、沼向こうの草陰に潜む気配に矢を射ったのだが……。

 ムラの守り神でもあるオオモノヌシの化身といわれている白い大蛇を射て、傷付けたまま恐怖の一心で逃げ帰ったサザレヒコは、嘘を塗り固めて自分を守ろうとし、ついにはムラから追放される。
 己の犯した罪の償いをするため、再び禁域へと足を踏み入れ白蛇を捜し求めるサザレヒコは、ひとりの少年と出会う。彼はサザレヒコが不慣れな山の中で生きぬく術を、そして、神々やカムイと向き合うその意味を態度で以って教えてくれる貴重な存在となった。



 読む前にパラパラと挿絵を見ていました、私。 ・・・あれ?
 シクイルケだ?っ! と、思いの外はやくに彼を見る事ができて感動です。しかも、人型だしv これは予想外だったなぁ。
 この一冊を通して、サザレヒコがものすごく内面的に成長するのだけど、それは読んでいて見守る気持ちでいる私にも嬉しい事なのだけど、それ以上に、やっぱり オオモノヌシのシクイルケとポイシュマに再会できたのが嬉しかったです。ポイシュマ、オオモノヌシとしての貫禄がついてるなぁ。人間時代の彼からはちょっと想像つかないような…つくような…(笑)
 かつて、自分を護り導いてくれた人々のように、サザレヒコを見守りながら時には厳しく、やっぱり厳しく躾をするポイシュマも、成長したんだなぁと思う。

 さて、サザレヒコ。末っ子の甘えったれ坊主。自分勝手で礼儀知らずで我侭で、行動を見守りつつもちょっと頭が痛くなる訳ですが、でも・・・自分の中にもサザレヒコが居るなぁと思うと人事でもありません。等身大の主人公だなぁと思う。
 神々やカムイにはらう敬意のひとつも持たなかったサザレヒコが、自分の力で生きる事を学び、自分を生かしてくれる様々な存在を認識し、自分の愚かさと対峙し、それを乗り越えていく姿がとても印象的でした。
 自分の勇気と真剣さを証明した後の、自分の姿におきた小さな変化に声をあげたサザレヒコの素直な可愛らしさも大好きです。

 このシリーズ、神々やカムイに捧げる祈りの言葉とかが多く、言葉遣いが綺麗だったり含みが豊かだったりするんですが、地の文が、何を語るかで自然と尊敬語になったり謙譲語になったりして、その辺も面白いです。


ところで、オオモノヌシ達。(考察というか…ある意味ネタバレ?)

 ポイシュマ、『冥界を統べる重きカムイであられるオオモノヌシよ、地上を去って久しい御身が』と言われてましたが…。シクイルケのように、人としての命を終えてカムイに昇華してるんですね、やっぱり。それでもって、冥界の主ですか。すごい大役を引き受けているなぁ。
 前作で、順番を違えてはいるが湿地のカムイの力は受けるべくして受けたものだというの、あの時から既に冥界を統べる存在として定められていたのかと感慨もひとしおです。

 そして、シクイルケ。言葉を取り戻していて嬉しかった。相変わらず優しいカムイで、懐かしさが込み上げます。彼がただ独りで悪しきモノをその身に封じ続けているのは切ない。切ないからこそ、人々が失われていた真実の物語を知り、オオモノヌシを信じ、子供達が恐れず白蛇と遊びたがってくれた事が、実際に和んで遊んでいる姿を見かけられるようになった事が、すごく嬉しいです。

 地に降りて白蛇となりて棲まう月の神の息子・オオモノヌシのシクイルケ。
今年の十五夜には月見酒を供えて、オオモノヌシ等を偲ぼうかな。
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