きょうのできごと。

日々の戯言。 撮った写真とかの投げ込み場所。

2017-07

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『フェリックスと異界の伝説』

『フェリックスと異界の伝説』 <1>羽根に宿る力
 エリザベス・ケイ (片岡しのぶ・訳) あすなろ書房

 南米コスタリカ。高い山に降り注いだ雨は"分水界"と呼ばれる地点で別れて流れゆく。一方は太平洋に、一方は大西洋に。
 心臓を患っている少年フェリックスは、元気な内になにかワクワクする事をしたいと家族で大陸分水界を見るトレッキングにでかけた。子供の体調を気遣う両親が途中から引き返そうと言うものの、フェリックスはそんな二人の目を盗んで先へと進む。そうして分水界を跨いで立てった時、無理が祟って少年は倒れてしまった。
 分水界という地場のもつ不思議な力が作用したのか、目覚めた時、フェリックスは異界にいた。妖精達が暮らし魔法が行われ、伝説としてお話に登場するような――あるいは架空の――不思議な生き物達が闊歩する世界。そして…驚くべきは、科学と云う不思議な力が作用する異界に生きる人間こそが伝説の生き物だと考えられている世界だった。



 文体にちょっと妙な感じがあるんだけど… 異界の雰囲気をイメージさせるための手段なのか、何なのか。でも、素直な文体でもあるので読みやすくはありました。
 このお話し、架空の生き物がバンバン出てきます。例えばグリフィンに似た"ブラズル"。妖精に似た"タングル族"。ユニコーンに似た"ブリトルホーン"等々。伝説として御話として今まで耳にした事のある彼らとは少しずつ性質が違っていたりして、却って異界に真実味があるような。
 数式好きというか…むしろ数式魔のブラズルがかなり好きです。何かやってる最中にもうっかり微分積分だとか色々気を取られて数式を考え始めるそうで(笑) 困ったちゃんながら愛しい生き物です。四頭ほど出てきたけど、家族の三頭が大好きだなぁ。雌も含めてみんな考え方も行動力も男前ですよ。
 タングル族の面々も良いなぁ。ちょっと変わった女の子、べトニーも可愛らしい。お姉ちゃんお兄ちゃん含めた三姉兄妹の、石像になっちゃった両親の淡々とした扱いにはちょっとビックリですが…結構すなおで単純な種族なんだろうな。次巻で人間界にもどれたフェリックスとの再会は果たされるかな? どっちがどっちの世界に行く事になるだろうかとか、続巻が楽しみです。

過去と未来の関係

 ドラゴンランス・シリーズ最新刊の「魂の戦争」第1部(中篇)を読みました。
 あぁ…何だかパリンも他の皆も、えらく痛々しいです。かのタッスルさえも痛々しく思える…。ランスシリーズでここまで暗くなるなんてなぁと、意外にも思いました。救いはいったい何処にあるんだろう。
 この巻で一番切なさや辛さを感じたのは、パリンの一言から。
「すまん、ジェラード!」パリンはあえぎ声で言った。「すまない!」
暗く冷たく捻じ曲がってしまっていたパリンだけど、やっぱり彼の本質は変わらないんだよね。

 この話を読んでて、興味を惹かれたのが「過去と現在」の関係。ちょっと目新しい考えに触れた気がします。私はそんな事、考えもしなかったなぁ。

話の主軸にくる仕掛けでもあるので、ネタばれを気にしない人だけどうぞ。

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『裔を継ぐ者』 (月神シリーズ・外伝)

 ポイシュマとワカヒコ、2人の少年が立ち上がり、やがて昏迷の時代に平和への礎が築かれてより500年余り――。先祖達の願いと想いは風化し、しきたりとしての奉りは受け継がれても、神々やカムイを身近に感じ受け入れ信じる術が失われつつある人々の姿がそこにはあった。
 オオモノヌシのポイシュマの血を引く「星のしるし」の一族の末児・サザレヒコは、未だ弓を持つ事を許してくれない父親に反発し、こっそりと兄の弓を持ち出し、隠れて練習する為にムラの禁域でありカムイのすまう聖地へと踏み入った。そこで、沼向こうの草陰に潜む気配に矢を射ったのだが……。

 ムラの守り神でもあるオオモノヌシの化身といわれている白い大蛇を射て、傷付けたまま恐怖の一心で逃げ帰ったサザレヒコは、嘘を塗り固めて自分を守ろうとし、ついにはムラから追放される。
 己の犯した罪の償いをするため、再び禁域へと足を踏み入れ白蛇を捜し求めるサザレヒコは、ひとりの少年と出会う。彼はサザレヒコが不慣れな山の中で生きぬく術を、そして、神々やカムイと向き合うその意味を態度で以って教えてくれる貴重な存在となった。



 読む前にパラパラと挿絵を見ていました、私。 ・・・あれ?
 シクイルケだ?っ! と、思いの外はやくに彼を見る事ができて感動です。しかも、人型だしv これは予想外だったなぁ。
 この一冊を通して、サザレヒコがものすごく内面的に成長するのだけど、それは読んでいて見守る気持ちでいる私にも嬉しい事なのだけど、それ以上に、やっぱり オオモノヌシのシクイルケとポイシュマに再会できたのが嬉しかったです。ポイシュマ、オオモノヌシとしての貫禄がついてるなぁ。人間時代の彼からはちょっと想像つかないような…つくような…(笑)
 かつて、自分を護り導いてくれた人々のように、サザレヒコを見守りながら時には厳しく、やっぱり厳しく躾をするポイシュマも、成長したんだなぁと思う。

 さて、サザレヒコ。末っ子の甘えったれ坊主。自分勝手で礼儀知らずで我侭で、行動を見守りつつもちょっと頭が痛くなる訳ですが、でも・・・自分の中にもサザレヒコが居るなぁと思うと人事でもありません。等身大の主人公だなぁと思う。
 神々やカムイにはらう敬意のひとつも持たなかったサザレヒコが、自分の力で生きる事を学び、自分を生かしてくれる様々な存在を認識し、自分の愚かさと対峙し、それを乗り越えていく姿がとても印象的でした。
 自分の勇気と真剣さを証明した後の、自分の姿におきた小さな変化に声をあげたサザレヒコの素直な可愛らしさも大好きです。

 このシリーズ、神々やカムイに捧げる祈りの言葉とかが多く、言葉遣いが綺麗だったり含みが豊かだったりするんですが、地の文が、何を語るかで自然と尊敬語になったり謙譲語になったりして、その辺も面白いです。


ところで、オオモノヌシ達。(考察というか…ある意味ネタバレ?)

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『ダレン・シャン』

 最終巻、読み終えました。

 図書館で借りつつ読み進めるのに随分と時間が掛かったので、記憶が飛んで細かに感想は述べられないけれど(^^;)、活き活きとして魅力的な登場人物たちが多く、楽しかったり辛かったり切なかったりしながら面白く読めました。
 なかでも一番印象的で好きだなぁと思う人物は、バンパイアのカーダ・スモルト。自分の意志を貫いて、結果的に散って逝った人だけど、彼の性格・彼の魂の有り様は大好きです。彼のもう一つの人生を知って、より一層好きさに拍車をかけたような・・・。

「はてしない物語」を読んだ時に覚えた新鮮な驚きのような仕掛けが、ダレン・シャンにもありますね。
 1巻でダレン自らが、何故全ての人物の名前を変えてあるのか、最後まで読めば理由がわかる、と述べているの、全く納得です。そういうコトか!と感心しつつ、この仕掛けで、ダレン(仮名)氏が本当にこの世界に存在しているんだと思える運びで、余韻がいいです。実際、ダレン氏は新たな作品を発表されているようだしね。

 ところで、ダレン・シャンシリーズは、絵がすごく綺麗で、表紙は勿論、カラーの口絵にも毎回見惚れました。

以下、ネタばれ含みますが。

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『 月神シリーズ 』1?4巻

「月神の統べる森で」
「地の掟 月のまなざし」
「天地のはざま」
「月冠の巫王」

月神シリーズ(1?4巻) たつみや章・講談社

 縄文から弥生に時代が移ろおうとしていた頃のこと。
 月の神を奉じ神々が宿る自然を敬い拝して生きてきたムラの人々と、日の神を崇め己が利の為に自然を蹂躙してゆくクニの人々。言葉も思想も異にした文明が出会い対立し、やがて激烈な戦いの渦が巻き起こる。騒乱の続く世に平和はもたらされるか?
 ムラの若き長アテルイと月神の地上の息子である巫者のシクイルケは、"ヒメカ"のクニとの諍いの過程で二人の少年に出会う事となった。
 ひとりは、人の姿をしたカムイ(神)に育てられた少年、ポイシュマ。ひとりは、"ヒメカ"の将来の「ヒコ」(王様みたいなもの)でありながら、ヒメカの女王に疎まれた少年、ワカヒコ。彼らは数奇な宿命を負った時代を導く「星の子」だった。


 日本神話で殆ど語られる事が無い《月の神》について、かつてこんな信仰があったのではないかと作者が紡ぎ出した、月の神の民たちの物語。
 ムラの人々は自然に宿る神々を敬い愛し調和を以って生をおくる。足るを知る生活っていうのかな? なんとなく、読めば読むほどアイヌ民族のイメージです。純粋で素直に正直に育っているポイシュマがただただ愛しい。自分が生きる為に命を分けてもらうため、あらゆるモノに折々に触れて感謝を捧げるその姿は、現代ではかなり失われているもののように思います。あそこまで様々に感謝を捧げられるかと云えば、いや、私は無理だろう…とか思いますが。でも、いつも感謝する気持ちを忘れず心に留めておく事が大切なのだと、彼らの暮らし振りを見ていると思います。。
 クニの人々は他者を制圧し自然を自らの利の為に蹂躙している。いずれそれは自分に返ってくると思うのだけれど…他者を――自分たち以外の価値観や思想を――認めて受け入れられる懐の深さがないものは、やがて自らを蝕むことに気付かない。

 ポイシュマとワカヒコの友情とそれぞれの成長が巻を追うにしたがって深まり、様々なクニやムラの存在が明らかになるとともに騒乱と平和に向けて絡み合い、様々な出来事を内包して大団円に向かう筋立てに圧倒されます。
 彼らはそれからどうなるんだろう?と気になって仕方なく、一日一冊一気読みでした。良い物語だったなぁ(^^)

 後で調べてみたら、月神シリーズの外伝があるらしい。これまた嬉しい。早速借りてきたけれど、いまの感想を忘れるといけないので、先に書いてから読もうと思います。

そんな訳で、以下ネタばれ含みます。

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早瀬

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